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2001年~2004年にかけて放送されていたテレビ番組「¥マネーの虎」。

一般人がビジネスプランを持って参加し、
審査員兼、投資家たちの眼鏡にかなった暁には
希望の出資額を得て実際にビジネスを形にしていくという
リアリティ番組でした。

一時非常に人気となったこの番組からは
実際に投資を獲得し、
その後しっかりと成功させている人物も排出されました。

愛媛県の家具屋・菊野慶吾さん

容赦無い審査員である「虎」たちから見事
希望金額を勝ち獲った人物の一人に菊野慶吾さんがいます。

このときの放送は番組ファンの間では
「神回」という人もいるほどの内容でした。

愛媛県からきた家族経営の家具屋さんでしたが、
高級ハンドメイドの家具を安く提供するカフェ風家具屋を出したいと
500万円の出資を希望しました。

メロメロになった「虎」たち

登場してプレゼンが始まると、
緊張のあまり、噛みまくって汗をかくまくった菊野さん。

口下手な職人気質ですが、
彼の家具作りへの思いは本物でした。

ほとんどの放送回で、審査員である「虎」たちは
プレゼンをする一般人に対して計画の甘さや人格的なことまで、
徹底的に辛辣に批判しています。

当然、百戦錬磨の経営者たちからすれば
そうした参加者たちのレベルでは成功しないのが
目に見えているからこその言葉なのでしょう。

しかしこの菊野さんの回では、開始早々、
まだ家具のひとつもみないうちに1人の虎が出資を決断。

菊野さんのにじみ出ている人柄に惚れたのです。

あまりに早い決断に他の虎たちが待ったをかける形で
プレゼンが進行することになり、

登場する家具を見て、他の虎たちもどんどん彼に
引きこまれていくことになります。

菊野さんは、当時問題になっていた
「シックハウス症候群」などへの対策として
家具に塗るニスを植物性の舐めても大丈夫なものを
使っているとして、目の前で実際にニスを舐めて見せました。

子どもたちに安心な家具をとの思いが
ここにもにじみ出ていました。

結果、3人の虎が出資を申し出る異例の自体となり、
逆に菊野さんが誰の出資を受けたいかを選ぶという
信じられない展開となり希望の500万円を獲得するのです。

初日売上ノルマ50万円達成

この番組では、希望金額を獲得した参加者が
実際に事業をスタートさせるまでを追っていました。

菊野さんは獲得した500万円を元に、
もともと経営していた小さな家具屋を自分たちで改築し
大きなカフェ家具屋へと生まれ変わらせていきます。

途中に起こるさまざまなトラブルを乗り越えて
家族や従業員である職人さんたちの力を借りてお店はオープン。

カフェとしての店内に展示されている、
あるいは実際にお客さんが利用している家具が
そのまま購入できるというシステムで
開店からたくさんの人で賑わいます。

しかし決して安いものではないために、
「これいいね」で終わってしまう方がほとんどで
なかなか売れません。

ですがしばらくの後、
お客さんが連れてきた子どもたちがこの流れを変えます。

子どもが店内の子ども用の椅子から離れようとしないのです。

菊野さんの思いがここに表れていました。

そして、その母親がこの椅子を購入します。

また、一度机と椅子のセットを諦めて、
母に連れられて帰った女の子がおばあちゃんを連れて
店に戻ってきました。

95,000円もするこの机と椅子のセットを
おばあちゃんが孫のために購入してくれたのです。

そして、オープン初日の結果は、ノルマ達成の約53万円でした。

菊野さんのその後、現在は?

番組終了から10年以上が経ちましたが、
菊野さんの家具屋はどうなっているのでしょうか。

調べてみると、今もしっかり運営されています。
手作りなので規模はさほど拡大はできませんが、
今も変わらぬ思いでしっかりと運営されているようです。

ホームページでその様子が伺えます。
⇒COUNTRY WOOD GARDENホームページ

単なるビジネスを超え、
感動を覚えた菊野さんの取り組みです。

私たちもそんな風に純粋に思いを
形にしていけるようにもっと頑張っていきたいですね。

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